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  2. 認知動作型トレーニング理論とは

認知動作型トレーニング理論とは

認知動作型トレーニングの理論
認知とは、脳の高次機能としての知的能力を意味します。
1.認知動作型トレーニングの定義
認知動作型トレーニングは、「体」「技」「心」のコンディションを整えることを目的とし、スポーツや日常生活行動において合理的で美しい体の動きができるように、姿勢や動作の質を高め、健康で気力の充実を図ることができるトレーニングである。「体」は身体、「技」は動作、「心」は脳、と置き換えることができる。

2.認知動作型トレーニングの内容
認知動作型トレーニングは、①体操、②姿勢と歩行、③マシントレーニング、の3本柱から成り立っている。
① 体操には, a.ストレッチ運動、b.関節柔軟運動、c.バランス運動, が含まれるが、これらとは別に、d.「ソーラーポールを用いた運動」、を加える。
② 姿勢と歩行には、a.良い姿勢、b.コアストレッチウォーキング(大腰筋ウォーキング)がある。
③ マシントレーニングには、認知動作型トレーニングマシンを用いる。
認知動作型トレーニングマシンは、a.ストレッチ系マシン、b.動作バランス系マシン、c.体幹筋力アップ系マシン、に類別される。

3.認知動作型トレーニングの神経支配
姿勢や動作をコントロールする神経支配には、①斜体側動作型神経支配、②同側動作型神経支配、③膝腰同側動作型神経支配、がある。
 認知動作型トレーニングでは、日常生活では用いられることが少ない②同側動作型神経支配を重視して用いる。また、トレーニングによって、③膝腰同側動作型神経支配が、自由にできるようにする。動作の上からは、①は普通歩行動作、②はナンバ歩行動作、③では体幹はナンバ歩行動作で、腕と手は普通歩行動作の形をとる。これは、体幹深部の筋群を有効活用するためである。

4.認知動作型トレーニングにおける筋力発揮の仕方
認知動作型トレーニングは、柔らかくしなやかな動きとともに、芯から強い体をつくることを目指す。このため、筋肉を強く固め、力んで筋力を発揮するのではなく、力を抜いた力みの少ない状態で運動や動作ができるようにする。このためには、浅層筋の緊張を緩め、体幹深部筋(インナーマッスル)を有効に使う体の動きを身につける。

5.認知動作型トレーニングにおける骨盤と脊柱の使い方
認知動作型トレーニングでは、骨盤の動きの柔軟性を重視する。骨盤の動きでは、前傾、後傾、仙腸関節の柔軟性を高める。脊柱は、腰椎、胸椎、頚椎が一つ一つ動くようにトレーニングする。このためのトレーニング姿勢として、①ウマ、②ヒョウ、③チーター、の3つの形を身に着ける。①ウマは、骨盤を前傾させ腰椎と胸椎をそらせた姿勢、②ヒョウは、骨盤を後傾させ腰を丸めた姿勢、③チーターはヒョウからさらに背中を高く丸めた姿勢をいう。

6.認知動作型トレーニングにおけるマシントレーニング
認知動作型トレーニングマシンは、20数種類がある。
① ストレッチ系マシンには、a.船漕ぎマシン(ストレッチロウイング、船漕ぎマシン、自動船漕ぎ)、b.大股ストレッチマシン、c.体幹ひねりマシン、d.ショルダーリンク、e.バウワーリンク、f.ベッド移動式マシン、などがある。
② 動作バランス系マシンには、a.すり足動作マシン、b.スプリントマシン(700型、SPK6型、TKY型、ベンツ型)、c.車軸移動式パワーバイク、d.多動式楕円軌道自転車(メリーちゃん)、などがある。
③ 体幹筋力アップ系マシンには、a.膝腰スウィングマシン(ヒップルちゃん)、b.漕艇用トレーニングマシン、c.アニマルウォークマシン、d.チェストリンク、e.コキシアリンク、f.ソアスリンク、g.トレッドミル(膝上げ大股歩き)などがある。

7.認知動作型トレーニングにおける脳の活性化
本来脳に備わっていた動作コントロール能力が、認知動作型トレーニングでは様々な形で引き出される。同側動作型神経支配、緊張性の伸張反射を緩める脳の運動指令、普段使われない体幹深部筋の活動に対する運動指令、動作バランスに対する反射をコントロールする神経コントロール、など脳の活性化が刺激される。これらの活動は、近赤外光脳内酸素化動態モニター装置(fNIRS)によって観察された。

8.認知動作型トレーニングの汎用性について
認知動作型トレーニングは、小学校5年生から一般成人、スポーツ選手、高齢者、知的障がい者、低体力状態にある人、要リハビリ者、などその適応範囲が広い。高齢者では、千葉県柏市内の「十坪ジム」では。100歳をはじめ、80歳代、90歳代の人もスプリントトレーニングマシンを利用している。